第7章
第7章 「造物者の影」
命の石 - 造物者の筆跡(文章:GPT4.1、画像GPT4o)
崑崙の山々は、雲海に包まれ、神話の時代から人の手を拒み続けてきた聖域だった。
李春と蘇蓮は、石を封印する方法を求めて、険しい山道を登り続けた。道中、二人は不思議な幻影に導かれる。霧の中に現れる古代の神殿、石を囲む謎めいた人々、そして、筆や刀を手に創造と破壊を繰り返す、顔の見えない存在――。
「これは……誰だ?」
李春が呟くと、蘇蓮は静かに答えた。
「伝説に語られる“造物者”だ。世界に命を与え、形を彫り、絵を描くことで魂を吹き込む者。石の本当の主だと言われている。」
二人が山頂にたどり着くと、そこには巨大な石碑と、無数の彫像が並んでいた。どれも人間のようでありながら、どこか異形の美しさを持っていた。石碑には、古代の文字でこう刻まれていた。
「石は、命の源。造物者のみが、その力を制す。」
李春と蘇蓮は、石を石碑の前に捧げ、封印の儀式を始めた。だが、石は静かに震え、まるで別れを惜しむかのように淡い光を放つ。その瞬間、空間が歪み、二人の意識は遠い未来へと引き寄せられていく。
――時は流れ、現代の日本。
関東の古代遺跡で、考古学者たちが大量の埴輪を発掘していた。
その中に、他の埴輪とは明らかに異なる、異国の雰囲気を持つ一体があった。中国から日本にやってきた少女・玲花(リンファ)は、その埴輪に強く心を惹かれる。
玲花は、なぜかその埴輪を「造物者」と名付け、スケッチブックに夢中で描き始める。彼女の描く線は、まるで命を宿すかのように、紙の上で揺らめいていた。
玲花の絵に、誰も気づかぬ不思議な力が宿り始めていた。
そして、彼女の周囲で、再び奇妙な出来事が起こり始める――。
公開日: 2025/6/3文字数: 700文字