6

第6章 「封印の誓い」

命の石 - 造物者の筆跡(文章:GPT4.1、画像GPT4o)

第6章の挿絵
王玄の館を包む夜の闇は、戦火の赤に染まっていた。石を巡る争奪戦は激しさを増し、館の外では各国の兵が剣を交え、内では王玄の家臣たちが石を守ろうと必死に立ち回っていた。李春と蘇蓮は混乱に紛れ、館の裏手から忍び込むことに成功する。 館の奥深く、玉座の間には王玄が石を抱え、憔悴しきった顔で座っていた。石の輝きは以前よりも鈍く、まるで何かを拒むように冷たく光っている。王玄は李春たちの姿に気づくと、狂気じみた目で叫んだ。 「この石は、我が国を永遠に繁栄させる力だ!誰にも渡さん!」 だが、石を手にした王玄の体は、すでに石の力に蝕まれていた。彼の周囲には黒い影が渦巻き、家臣たちは次々と倒れていく。李春は王玄に近づき、必死に訴えた。 「その石は、人の手に余るものです。どうか、返してください!」 王玄は一瞬、正気を取り戻したかのように李春を見つめたが、次の瞬間、石が激しく脈動し、王玄の手から滑り落ちた。石は床に転がり、李春の足元で静かに光を放つ。 蘇蓮はすかさず石を拾い上げ、李春に言った。 「このままでは、また争いが繰り返される。石を封印しなければならない。」 李春はうなずき、二人は館を脱出する。外では戦火が広がり、王玄の館は崩れ落ちていく。李春と蘇蓮は、石を封印する方法を探すため、伝説の山・崑崙(こんろん)へ向かう決意を固めた。 だが、石の力を求める者たちの影は、なおも二人を追い続けていた。 崑崙の山々に、石の秘密と新たな試練が待ち受けていることを、まだ誰も知らなかった。
公開日: 2025/6/3文字数: 646文字