第5章
第5章 「争奪の火蓋」
命の石 - 造物者の筆跡(文章:GPT4.1、画像GPT4o)
李春が村を出てから、王玄の館では石を巡る噂が瞬く間に広がっていた。
王玄は石の力を手中に収めようと、各地の賢者や術士を招き入れ、石の秘密を解き明かそうと躍起になっていた。しかし、石に触れた者は次々と奇妙な病に倒れ、館の中は不安と恐怖に包まれていく。
そんな中、石の存在は隣国の耳にも入り、王玄の館を狙う刺客や盗賊が夜ごと忍び寄るようになった。石を巡る争いは、やがて王玄の領地を超え、周辺の国々を巻き込む内戦の火種となっていく。王玄は石を守るため、兵を増やし、館を要塞のように固めたが、民の暮らしは荒れ、領地は日に日に衰えていった。
一方、李春は村の長老・陳の助言を胸に、王玄の館を目指して旅を続けていた。途中、同じく石を狙う流浪の剣士・蘇蓮(それん)と出会う。
蘇蓮は、かつて石の力で家族を失った過去を持ち、石を封印するために旅をしていた。李春は蘇蓮と行動を共にすることを決意し、二人は王玄の館へと向かう。
その道中、各地で石を巡る争いの爪痕を目の当たりにする。焼け落ちた村、荒れ果てた田畑、石の噂に翻弄される人々――。李春は、石がもたらすのは奇跡だけでなく、破滅もまた等しく与えるのだと痛感する。
やがて、王玄の館の周囲には、石を狙う軍勢が集結し始めた。李春と蘇蓮は、混乱の中で石を取り戻す機会をうかがう。
夜、館の外で火の手が上がり、ついに争奪戦の火蓋が切って落とされた。
李春は、石を巡る混沌の渦の中へと、足を踏み入れていく。
公開日: 2025/6/3文字数: 622文字