第8章
第8章 「命の継承」
命の石 - 造物者の筆跡(文章:GPT4.1、画像GPT4o)
玲花は、発掘現場の片隅で、埴輪のスケッチに没頭していた。
彼女の描く「造物者」の姿は、なぜか日ごとに鮮明になり、まるで自分の手が導かれているかのようだった。玲花の周囲では、発掘隊の人々が体調を崩したり、逆に長年の病が急に癒えたりと、説明のつかない現象が相次いでいた。
ある夜、玲花は夢を見る。夢の中で、霧に包まれた崑崙の山頂に立ち、李春と蘇蓮、そして顔の見えない「造物者」と向き合っていた。造物者は玲花に、静かに語りかける。
「命は、形を変えて受け継がれる。お前の中にも、石の記憶が流れている。」
玲花は戸惑いながらも、夢の中で石を手に取る。すると、彼女の描いた埴輪の絵が淡く光り始め、紙の上で微かに動いた。目覚めた玲花は、現実でも自分の絵に不思議な温もりを感じる。
その日、発掘現場で再び異変が起こる。玲花の描いた埴輪のスケッチが、誰も触れていないのにページをめくり、まるで何かを伝えようとしているかのようだった。玲花は、絵の中の造物者が自分に語りかけていることに気づく。
「石は、時を超えて命を紡ぐ。お前が選ばれし者なら、その力を正しく導け。」
玲花は、なぜ自分がこの地に導かれたのか、なぜ造物者の姿を知っているのか、戸惑いながらも、心の奥底で何かが目覚めていくのを感じていた。
その夜、玲花のスケッチブックから、淡い光が漏れ出す。
彼女の描いた「造物者」の目が、ゆっくりと開かれた――。
玲花の運命と、古代から続く命の石の秘密が、いま交わろうとしていた。
公開日: 2025/6/3文字数: 639文字